給与体系には、メンバーシップ型とジョブ型があります。

●メンバーシップ型給与体系

メンバーシップ型とは、「人に仕事を割り振る型」です。旧来からある等級号俸制などの給与体系が当てはまります。

特徴は、終身雇用を前提としていているため、人を長期的育てる仕組みとして戦後の日本を支えてきた体系といえるでしょう。
経営環境が安定しているときは、年功序列で毎年給与の昇給が保証されているため、生活保障としては安心して働ける給与体系であるといえます。

ただし、

人に仕事を割り振るため、業務範囲の線引きが曖昧になりやすく、長時間労働になりやすい傾向があります。

さらに、景気の動向によって人員配置の調整のための転勤等があります。

●ジョブ型給与体系

ジョブ型とは、「仕事に人を割り振る型」です。欧米では一般的な給与体系になります。

特徴は、自分のスキルや経験で報酬が決められるため、業務やポストに対して必要な人材を確保しやすいことが挙げられます。

仕事に人を割り振るため、業務範囲の線引きは明確になり、自分の業務が終われば終了となり長時間労働になりにくい傾向があります。

さらに「職務記述書(ジョブディスクリプション)」によって、
明確に権限・責任・報酬が結びついているため年齢や経験年数より成果・スキル・実力が重要視されます。

●給与設計式ジョブ型給与体系

給与設計の考えは、毎年必ず昇給する部分を基礎給(年齢給と経験給で構成)と設定します。
基礎給は、会社のセーフティネット部分。

雇用した以上、必ず支払わなければならない給与額の部分と定義します。
(生活保障・昇給設定)

よく勘違いされるのですが、等級号俸制の制度ではありません。

基礎給の年齢給・経験給は、大卒・高卒・院卒関係なくスタートラインは同じです。
前職の経験を加味したい場合に経験給のスタートを変更します。

各人の給与額が違うのは、
・資格の有無
・できる職務範囲
・やって欲しいことの期待の数 等
と考えます。

さらに、権限・責任・報酬の部分を
仕事給(資格手当・職務手当・インセンティブ手当)として設定します。
業務(仕事)に単価がついているイメージです。

明確な手当の基準を設定し、明示することで、
各人が、自分が何を目指すのか。どの手当を自ら取りに行くのか?
を経営者と従業員の双方がコミュニケーションできるようになります。

同様に、賞与についても基礎給賞与+仕事給賞与で構成されます。

基礎給賞与は、社長のプライドです。
従業員を雇用した以上、必ず支払う会社のセーフティネットの部分です。

仕事給賞与が、従業員の頑張りの部分。まさに成果の配分です。

給与も賞与も、それぞれ手当にすることによって、
より細かく従業員の仕事の中身に添った給与を支払うことができるようになるのです。

●具体的な事例

老舗の小売業の会社様で、昔に導入した人事考課制度が全く機能しておらず、
鉛筆舐め舐めで給与を支給していました。

そこに、給与設計の考え方を導入したところ、

今まで見えなかった、部長の役割や期待していたことの振り返りができ
更に、何をどう頑張れば給与が上がるのか
明確な給与・賞与の配分基準が作成されたことにより前年度の粗利率が2%も向上しました。

今、あなたが、

・会社の給与体系が整理されていない。
・昔の給与体系をずっと使っており、社長の想いが給与に反映できていない。
・人事評価制度や人事考課制度を導入したけどうまく運用できていない。
・管理職のやる気が出ていないような気がする。
・等級号俸制で評価しているため既存社員と中途採用者の給与のバランスが崩れている。
・賞与の評価もしたい。

上記に上げたお悩みに1つでも該当するのなら、
給与設計の考えを試してみてください。